その世界に住んでいる人の当たり前が、そこに関わりない世界の住人に通用しないことってよくあります。
パンの話です。
ドライフルーツのパンといえば、1にレーズン、2に無花果、それからマンゴー、パイナップル…
ハードなパンにするならば、そこにナッツは必須です。合わせるナッツは胡桃でもアーモンドでも。
フルーツ×ナッツなら、どんな組み合わせだろうと絶対においしいに決まっています!
ですが、クランベリーの相方には、何が何でもカシューナッツを選択したいものです。
何が何でも、クランベリーにはカシューナッツがいい!
パン業界の住人、家庭ベイカーからは「当たり前すぎて何をいまさら」って思われることは百も承知。ド定番の組み合わせなんです。
だけど意外と、そこに住む人以外には常識として知れ渡っていないのでは、と思いここで主張をしてみました。そういうことってよくあるよね。
件のクランベリー×カシューナッツ。
味がおいしいのはもちろんなんだけど、なんでしょうか、言葉の響きもそそられませんか、、
わからないよね
クランベリーとカシューナッツ、ファッションでいうところのこなれ感とでもいいましょうか。
ますます意味不明だわ!
まあまあ、そんなふうにですね、こなれ感満載のクランベリーとカシューナッツのパンを作ろうではないか!というわけです。
さて、今日のファッションポイント(!)ですが、発酵を抑えてボリュームを抑えることが第一。
大きさは小さ目の気分なんです。たくさん焼いてクープのおめかしを楽しみましょう。
「おめかし」とかファッション業界の人が絶対言わないセリフだわ
久々に登場した吹き出しアイコンが楽しくて、ツッコミ担当を任せてしまいました。ご愛敬。
さて、お遊びはここまでにして本題です。
ドライフルーツとナッツがたっぷり入ったハードパンを格上げするには、生地の発酵を抑えることが大事だと思っています。
ふわふわだと安っぽいし、チェーン店っぽいもんね。いやチェーン店が悪いっていうんじゃないんです。
イーストを減らして、発酵温度を下げて、時間をかける。わたしがいつも採用するのは、そんな作り方です。
まあ、ふわふわさせたくないからあえてしっかり捏ねずに生地を作る、というと聞こえは良いですが
正確な表現をするなら、「面倒だからちゃんと捏ねずに適当に生地を作ったら、うまいことどっしりとしたパンになった」といったところでしょうか。
それは言わないほうがよかったな!
大量生産や生産効率向上を目指す必要なんてないからね。
フルーツナッツのパンのレシピは数あれど、大事なのは配合よりも発酵具合だと思います。
念密な計算をして配合を決め、最適な粉を選択したとしてもです。過発酵はすべてを台無しにしてしまいます。
だから配合云々にさほど拘りはないのですが、ぜひとも配合したい材料は赤ワイン!
ワインを生地に練りこんだパンは、生地がすごくおいしいのです。こなれ感も出るし。(まだ言ってる)もちろん発酵が成功することが前提ですが!
参考にした本はこちら。
ネットだと中古でしか手に入らないみたいです。たとえ新品当時よりも価格が上がっている中古だとしても買う価値のある、おすすすめの本です!
こちらの本の「パン・オ・ヴァン」をベースに
色々と適当にアレンジをして生地作り。色々と適当に。
散々クランベリー&カシューを主張しといてなんですが、マンゴーと無花果も入れちゃった。
この手のパンは具材が多いほど良いでしょう。色々余ってたし、、
さてさて、発酵の様子ですが、ビフォアーがこのくらい。
アフターがこちら。
本家は、生地が出来たらすぐに冷蔵庫に入れるレシピなのですが、1時間ほど室温発酵させたあと、野菜室で15時間くらい発酵させました。「少しだけふんわり」を狙っています。
それからこれを6分割。小さく焼いて、かぶりつきたい気分。
そこにクリームチーズをイン。 いいですか、ファッションは盛ればいいってもんじゃないですが、この手のハードパン作りにおいては「盛る」ほど良いんです。目指せ!凡庸からの脱却!
丸めたら、予熱待ちの25分間をホイロにあてます。最低限の時間。
皮生地をとりわけるのを忘れたので、全粒粉をたっぷりふりました。ドライフルーツが焦げると悲惨ですからね。
パン業界のファッションアイコンといえばS字のクープ。カリスマ(シニシニのあの人)がやっているやつです。開くといいなと願いを込めて。
高温で短時間で焼き上げました。このところ雲行きが怪しいオーブンですが、この日はしっかり温度が上がってくれました。(スチームは相変わらずあまり出ていない…)
なんやかんやで出来ました。手間なし失敗なし。S字はどれかな。
まっすぐ入れたクープのほうがパックリ開きました。
クープの間からクリチが顔を出しています!大成功。
断面も完璧✨👍
みて下さい。赤ワインを練りこんだ生地の色を。今年流行りの(知らんけど)ボルドーです。
こなれ感満載。
朝食にも☀夕食にも🍷バッチリ合う。たとえるならカジュアルにもフォーマルにもってところでしょうか。
そんな、ファッションパンのお話でした~!
うまくまとめたつもりか!
▽クランベリーはこちらを使用しました!700g入りなので、なかなかなくなりません(。-∀-)
買い回りの店舗稼ぎにはいいね!
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